名前で呼んでよ、黒瀬くん!【完】




あれからずっと、黒瀬が望む答えはなんだったのか考えていた。



でもそんなもの見つからなくて、黒瀬が何故か怒って教室を出て行ってしまった理由も分からない。




そういえば私が知る限り黒瀬が唯一名前で呼ぶ、さとみちゃんとはどうなったんだろう。




告白された直後は濁してたけど、実は付き合ったりしてるのかな。




そんなことを考えていたら一睡もできないまま、夜は明ける。




着替えてても、ご飯食べてても、登校中でも黒瀬のことばかり考えてしまう。



「ちょっと、さくらその顔どうしたの?」



教室に着くなり凛ちゃんが私を見て驚いた顔をする。



「どうしたのって普通だよ〜凛ちゃん酷いな〜」


そういいながら鞄を自分の机に置く。


「…またそうやって強がって。昨日はちゃんと眠れたの?」



昨日教室にいた凛ちゃんはもちろん一連の流れを知っている。




「…一睡もできなかった。」



そう呟く私に『そっか、』とそれだけ言って、頭を撫でてくれる凛ちゃん。



その温かさに思わず涙が出そうになった。