名前で呼んでよ、黒瀬くん!【完】




「だって黒瀬、新垣とは仲いいじゃん?」



「そんなことねぇよ。」



否定する黒瀬にやり場のなくなる私。



胸がキュッと締め付けられる。



「俺は新垣といい感じなんだと思ってたけどなぁ」



「渡、お前それくらいにしとけ」



山口くんが止めにかかってくれる。



どんどん集まる私への注目に、顔を下に向ける。




「新垣はどう思ってんの?黒瀬のこと」



山口くんが止めてくれたにも関わらず、渡くんはそのまま話を続行する。


そして話題の矛先は私に向けられる。




「ど、どうって、」



戸惑いながらも出した声は小さすぎて自分でもびっくりするほど。




俯きながら少し黒瀬の方を見ると、今までにないくらい不機嫌そうな顔をしていた。



おそらく私とのことをからかわれるのが嫌なんだろう。