名前で呼んでよ、黒瀬くん!【完】




触れる黒瀬の指が、手が私をドキドキさせる。


教室には二人きり。


黒瀬は何を思って、私の頭に触れてるんだろう。




こんなのだめ。ずるいよ。



「お前のこと名前で呼べてたら苦労しねぇよ。」



教室に弱々しく響いた声。



どういうこと。



すると黒瀬はしゃがみ込み、机で寝ている私の目線に合わせた。




「さくらは俺が他の女と付き合ってもいいの?」



そう耳元で囁かれる。



さらに激しくなるの鼓動に、いきなり呼ばれた名前にときめいてしまう。


熱は全て触れられている部分に集中して、黒瀬が発した言葉にか神経がいかない。



思考が停止してしまう。



好き。




するとスルッと黒瀬の手が頭から離れ、黒瀬は教室を出て行った。



黒瀬がどんな表情をしていたのかは分からない。


その言葉の意味も分からない。




「なに、あれ…」



一人教室に残された私は、気づいてしまった気持ちと、黒瀬の行動に頭が混乱する。