名前で呼んでよ、黒瀬くん!【完】


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ガラッ



誰かが教室のドアを開ける音で目が覚めた。



ん、私寝てたんだ。



そういえば今日は凛ちゃんと遊びに行くから、凛ちゃんの部活が終わるのを待ってるうちに寝ちゃってたんだ。





まどろみの中でそんなことを思っていた。





教室に入ってきた足音は、私の机の近くで止まった。




その瞬間、鼻を掠めたのはシトラスの香りだった。






…黒瀬だ。








そう分かった瞬間、せわしなく動き出す鼓動。


どうして黒瀬がここに?何か忘れ物でもしたのかな。




すると黒瀬は自分の席で何かをするわけでもなく、



私の頭を優しく撫で始めた。



「…っ、」



予想外の出来事に、口から心臓が飛び出しそうになってしまう。


今、実は起きているとバレたら気まずいし、さっき私は黒瀬にあんな暴言を吐いてしまったばかりに目を開ける勇気はない。