「ハルマ?」


アパートに着くか着かないかの時、俺は突然見知らぬ女に声をかけられた。


誰?

俺の頭がフル回転し始める。


付き合った女?
寝た女?
前のバイトの人……?


色々考えてみたが、こんな人は出てこない。

そうしていると、その女が口を開いた。


「アタシだよ!!カズミっ!!!」


…カズミ?
そんな奴知り合いに居たか?


「もう!!施設で一緒に育った仲じゃない!!」

「あ…」


俺の脳裏に一人浮かんで来た。
カズミ。確か同い年で幼稚園から中2まで一緒に施設で生活した。

中2の時に、やっと東北の方に親戚が見つかったとかでそっちに行ったんだっけ。


「…久しぶり…綺麗になったじゃん」

微かに昔の面影はあるが、だいぶ大人っぽくなった。

「ハルマもっ!!元気だった?」

旧友との再会に喜ぶカズミ。
その笑顔は昔と変わっていなかった。