半身。然るに片羽。


俺達の空気を変えたのは、あの声だった。

『・・・モドシテ』

「うっせーな!」
「なんなのよ!」

俺達の小声の罵声は声のする奴に矛先を向けて‼︎
突き刺す‼︎

「あ?」

俺は呆気にとられた。
今、相川ははっきりと俺の左を見た。
相川が唖然として俺の目を見つめてる。

「…もしかして?」

俺が言った。

「…あんたも?」

相川が言った。

『・・・モォ・ド・シィテェ』

掠れた声が俺達を支配していた。

よりにもよって…
《仲間》がこいつかよ…

俺達は同時にため息をついた。
向こうも同じように思ってるのは顔付きで明白だった。