静流はもう一度座ると手を添えてくれた。
静流のお母さんが亡くなった時のように、今度は静流が俺を落ち着かせてくれた。
「静流…浄土ヶ橋の最上って知ってるか?」
「じょうどがばし、もがみ?」
「本当かどうかはしらねーよ。浄土はあの世って事。その架け橋になるんだと言って作ったのが浄土ヶ橋って言うちょっと大きな宗教団体。で、そこの最上流の祈祷師が……代々「いち」って名を継ぐんだって」
「…いち?」
鋭い静流が引っ掛かったのは当然だと思う。
「その血を継いだものは、男には一と言う字を付けなくてはいけないしきたりがあるとかで」
「…カズ、ハ?」
