半身。然るに片羽。


「吉岡は話しに入んないの?」

俺の横に座った吉岡を見て話しかけた。

「苦手な話題」

クスクスと笑いながら返してくる。
吉岡はいつでも笑っている奴だ。
穏やかそうに見えるけど、中でなにを思っているのかが読めない。
見かけに騙されるとしっぺ返しに遭う気がして、中々本音で接することが俺には出来ない、やっかいな級友でもある。

「だって。寝たからなんだって話しだよ?俺は自分の責任において寝たしね」

しかもこいつ、なに言っちゃってんだ?

「合尾も早いって言うの?」

真っ直ぐに見られると答えづらいんだけど。

「人のにはどうのこうのはおかしな気もするけど。自分の責任って言うのは違うと思う。中学生じゃ責任を取ることが出来ない。子供が出来たらお前も相手も傷付くのは分かるよね?」

俺が言うと

「意外。もっと無気力に生きてるかと思ったー」

クスクスと笑って吉岡は部屋から出て行った。


静流と仲間になって。
狭間の人達と向き合ったから。

瑞葉が産まれて。
必死に生きていくのを目の当たりにしたから。

無気力だった俺は、少し変わったと自分でも思う。