半身。然るに片羽。


「………やなヤツ」

小さく小さく呟いたのは相川だった。

他の奴等は気が付いてない。

俺が見たら、同じ位の目線でじっと見つめ返された。



俺の武器、顔。
相川の武器、も、多分、顔。



「何か言った?相川さん」

微笑んで言うと

「何も言ってないよ?合尾君」

微笑まれて答えられた。

「……くえねーヤツ」

微笑みながら小さく俺は言ってみた。

「…それはあんたも」

微笑んだままの相川に答えられた。