半身。然るに片羽。


帰り道をゆっくりと歩く。
今日は桃も一緒だ。

「で?全部話せ」

俺が口火を切った。

「雅之(マサユキ)さん」

相川が言った。

「へ?オトン?オトンの親戚?」

俺が驚くと

「…名簿に書いてあった…だから雅之さんと親戚だと言っただけ」

堂々と嘘をついたのか、お前。

「役者だな。でもあれくらいしないとうるせーし良いんじゃねーの?」

と桃が言う。
寛容だな。

「バレんなよ」

俺が言うと

「一葉より、経験豊富なの。ドジんないから任せてよ」

静流は優等生を演じる俺よりも、大らかな桃よりも、移ろいやすい女子よりも、確かに誰よりもしたたかだった。