《気を付けてな》
〈行ってらっしゃい〉
2人共、緑を可愛がってくれる。
緑も俺達の子ならではで、血を受け継いだ者。
イエローとブルーにも、愛されて育った子。
「はいはいはい、行ってきます」
呆れた声が遠ざかる。
緑は先月中学生になった。
「俺等が出会った歳だな」
「…一葉は…変わったね」
「そうか?」
「一葉は、あたしの不完全を埋めてくれる人だった」
「お互いに補う相手だったから、出会ったとは思えない?」
微笑み合って、幸せを何度も感じ合う。
オカンとオトンの勝ち誇った顔がチラつくのは、今ではそんなに悪い事には感じない。
はいはい、俺の負けです。
賭けの対象を決めてなかったと2人で悔しがってくれ。