「…聴こえてきた?」
静流の足が止まった。
俺も止まって、横を向く。
「そう。聴こえるだけだ。昔はだだ漏れのように全部拾ってたけど…最近は徐々にコントロール出来るようになってきたからな。普段聴こえないようにしてる。それでも強い声は聴こえくるんだ。俺の性能は以上だけど‼︎ 他に聞きたい事ある?」
先手で攻撃してみた。
「…私は…視えるだけなんだよ…」
静流が静かに言った。
今こいつはなんて言った?
「…へ?視えるだけ?」
俺は繰り返した。
頷く静流が見えて、俺達はただ見つめ合って、そして苦笑いになった。
なんとも中途半端な《性能》だな、お互い。
苦笑いのまま、その少しの道を歩き出した。
