「『コロサナイデ』」



「え?」

俺の発した言葉が余りにも物騒だったのか、静流以外は皆一同に固まった。

「花枝さんから聴こえている声だ…まだ聴こえないか?」

「…一葉様、酷い」

花枝さんの涙が止まらない。

「酷くて結構。義一の母親は、死ぬ間際まで俺達を許してくれなかった…「シネ」って言霊の鎖の入った封筒を送り付けてくるくらい、憎くてたまらなかったんだろうな。でもさ。実際自分が逝く瞬間。義一のところに行ったんだ。そこで2人が惹かれあっていることを知った…許して欲しかったんじゃねーの?」

「そして、自分の遺言書とやらが出て来た時を思ったんです。このままでは自分が用意した許嫁と義一君が結婚してしまう。自分が辛かった時間をまた子供が引き継いでしまう。どうしても義一君を助けてあげたかったかんですよ…」

俺と静流の言葉は届いただろうか…