半身。然るに片羽。


「最後の忠告。今から言うことに答えろ。義一。お前はどうしたいのか話せ。この際、浄土ヶ橋の後継者とか忘れて話せ。母親の残した書面とやらも忘れて、正直に話せ」

義一が硬直したのが見えた。

「…」

言えねーのか?

「…マジで帰るからな…5、4、3、2、…」

「俺は‼︎」

このヘタレ弟が。

「俺は。花枝と生きたいです」

「馬鹿な事を」

決死の思いで言った義一の言葉は。
義一を後継者にと言っていた1人から発せられた、馬鹿な事で一笑されて終わりなのか?

「…義一の言葉をもきちんと聞いてないから…聴こえないんですよ」

「未練。心配。後悔。だったはずです」

静流も良い加減苛立っているらしい。

「俺は花枝と生きたいんだ‼︎」

はっきりと義一が答えた。

「義一。言い切ったからには覚悟しろ?」

「大丈夫。花枝をこんなに泣かせて。俺は今、自分のバカさに呆れているところだ」

「そか。なら、兄としての言葉をくれてやる」

覚悟を決めた義一は、確かに強い瞳をしていた。