「貴方にも聴こえないんですか」 最上広一を見ながら俺は言った。 2人は必死に花枝さんを見つめるが、諦めたように首を横に振った。 親子だ、この2人はそっくりだ。 「俺や静流にも聴こえるのに…力じゃないです。許すか許されるかとかそんなとこだと思いますが…」 「…意味が分からない」 義一は悔しそうに呟いた。 「未練。心配。後悔。とどまっている理由だと思います」 俺ははっきりと言ってやった。 「………妻か」 年の功だ。 義一より早く反応をした。