半身。然るに片羽。


「瑞葉。オニィ、イライラしてた。ゴメンな。でももう大丈夫だから」

瑞葉を抱き上げて優しく頬ずりをする。

昔みたいな、ただ単に甘い香りのする瑞葉ではない。
遊び回って汗をかいての元気な子供の香りだ。

太陽の香り。

今はお風呂から上がったから、優しいフルーツの香りがしている。
一緒に入った静流も同じ香りがするはずだが…

「静流、ちょっと来て」

呼んでみた。
意味が分からずとも、側に来てくれる静流。
右手で瑞葉を抱き、左手で静流の腰を引き寄せた。

「っちょちょっなになに‼︎」

焦った静流の声が左耳から聞こえる。

「…ゴメン。ゴメンな。ちょっとだけこのままでいさせて…俺に力をくれないか」

言うと、もがいていた静流は大人しくなった。
瑞葉は、俺の首に抱き付いてくれた。

俺は、2人を、抱き締めた。