ふすまを閉めてもらい、少女を視る。
昨晩、静流に力を分けてもらっているから。
視えるはずだけど…
全く視えない。
仕方が無い。
聴く、聴く、聴く。
『・・・ォ・・・ォ・・サナイ・・・デ・・・』
オオサナイデ?
『・・コォ・・ロ・・・サナイデ・・・・』
ちょっ‼︎
マジかよ…
「一葉。花枝がなにかしたか?」
義一の不安気な声が響いた。
「…なんだ…」
「なにが?」
「…とても小さな小さな声…お前には聞こえないのか?」
俺が言うと、少女は身体を強張らせた。
「…花枝からか?なにも感じないが?」
義一の方が力は上だ。
なのに、何故、聴こえないんだ?
「………帰るか」
俺が呟く。
「帰るのか?」
不安そうに、義一が俺を見つめた。
「家で考えておくから」
俺の言葉に義一は渋々頷き、そして、俺の手首を掴んでいる事にようやく気が付いたようだった。
