バタバタと凄い音がして、大きなふすまが開いた。
「…ハァハァ。一葉…なにしに…」
赤紫の作務衣を着た義一が焦っている。
「来たくて来たわけじゃないんですけどー?」
「まさか」
「そのまさかだ。信者ならちゃんと躾けておけ。限りなく犯罪。拉致られた。瑞葉と静流を人質にされたって感じ?」
俺の言葉に驚愕の顔をした義一を、哀れに感じた。
「貴様等か‼︎」
俺の見張りを任せられた女性に、詰め寄った義一が怖かった。
「すまん一葉‼︎ 実は…母が死んで、今、浄土ヶ橋は揉めていて。やっぱり後継者にはお前をと言う派がいるんだ…」
「お前が継ぐんだろう?」
「一葉」
「なに揺らいでいるんだ?俺はもう二度と最上と関わりあいたくないと言ったろ?」
「…二度と?」
「二度とだ。あ、お前は別。弟なんだから。でも出来ればこの敷地には寄りたくねーかな。話しがあんなら店に来いよ?分かったか?」
「…迷惑かけて本当にすまん」
「もう良い。お前に会えたし?」
義一を動かしてた人が、居なくなった。
義一を固めてた人が、居なくなった。
義一を苦しめてた人が、居なくなった。
少しずつ、俺達は連絡し合うまでに、近づいていた。
