煙がぼやけて溶けていく…
おあつらえ向きにベンチがあったので、腰掛けて煙になった両親を見てた。
「…声かけりゃ良いじゃねーか」
俺が言うと、物陰から静流が出てきた。
「…ごめん…」
「何で謝るんだよ」
「…視えない…の」
「俺だって、聴こえねーよ」
「…あの時一葉は…助けてくれたのに…」
あー、静流のおばさんが亡くなった時の事か。
静流は瑞葉を挟んで座ったから。
…遠い…
瑞葉を膝に乗せて、俺の代わりに泣いてくれている静流を肩に抱き寄せた。
静流の嗚咽はますます苦しそうに酷くなった。
優しい優しい静流。
瑞葉の目を軽く塞いで、静流の嗚咽を呑み込んだ。
そして、瑞葉の頭に優しくキスを重ねる。
