半身。然るに片羽。


マジ、普通。
マジ、日常。

合尾家の毎朝の光景。

「こんなゆっくりしてて良いの?」

俺が言う。

「あー、時間!」

「バス来るぞ」

オカンもオトンも、かの有名などこぞの国のウサギのように、時間時間と慌ただしく動き回っている。

「馬鹿な話ししてっからだよ」

玄関先でオカンに嫌味を言ったら、真剣な顔で見つめられた。

「馬鹿な話しじゃないわよ。いつか分かる。何賭ける?」

つて、賭け事にする事が、アホらしいんだって。

「はよ、行ったら?」

呆れた俺に

「行ってくるな」
「行ってきまーす」

2人は駆け足で出て行った。

「いってらっしゃーい」

瑞葉の可愛らしい声に手を振って。