他愛ない朝だった。



「いつまで寝てんのよ!」

下から怒鳴られた。

トントン…

「…俺、やっと解放されたの。もうちょっと寝かせてよー」

寝癖の頭を掻きつつ、愚痴をこぼしながらダイニングに入る。

「もう学校でも、充分おめでとうと賛辞を受けたでしょ?」

オカンは事も投げに言うが…
そりゃ、おめでとうは、大学に受かったら言われるだろう?
めっさ、頑張りましたし?

「勉強が出来ても生活能力が低いとモテないわよ?あ、でもいいか。一葉には静流ちゃんがいるし?」

「あのさー、何度も言うけど…」

「「静流は親友だから」」

オカンとオトンが同時に言った。
なんだよ、この両親は!