半身。然るに片羽。




霊の祓い方。



塩を撒いたり、聖水をかけたり。
塩風呂や酒風呂。
火や香りを焚いたり。
九字を切ったり。
時には対面し会ったり。

沢山有るけど、俺達は霊能力者じゃない。
修行をしたわけでもない。

ならば1番簡単なのが…
憑いている奴の名前を呼べばいい。

強制的に祓うなら、な。




優しく名前を呼んでもらえただろう。
だから、きっと、叔父さんは救われて逝けたはずだ。



「一葉」

静流が俺の肩を軽く叩いた。
見ると、扉の隙間から黒岩が覗いてる。

「入ってよ」

声を掛けるとオズオズと入ってきて、頭を下げられた。

「ゴメン‼︎ 合尾‼︎」

「声大きいよ」

突っ込むと、なんとも言えない顔を返さられた。