扉には見た事がない男性が立っていた。
「…お前はなにをやっているんだ」
男性がぽつりと言った。
「…死んでまで人様に迷惑を掛けるのか。逝けよ早く。俺はお前を憎んでいるんだから、一緒になんて逝くわけねーだろ?…分かれよ…最上一典」
言葉としてはきつい。
きついけど。
なんだろう、冷たくはなかった。
静流の体はゆらりと立ち上がり…
男性を見て、微笑んだ。
それは綺麗な微笑みだった。
そしておもむろに倒れ込んだ。
「静流‼︎」
倒れる静流を真っ正面から受け止めた。
意識のない人間は思った以上に重く、抱きかかえたまま俺達は床に転がった。
「…一葉…」
小さく静流の声が聞こえた。
「……おかえり」
俺は優しく静流を両手で抱きしめた。
