半身。然るに片羽。


一瞬の隙を見て静流は教室に駆けだした。

状況を把握出来ていないままの黒岩をはね飛ばし、黒岩の鞄を探っていた。

「…静流?」

「今は静流ちゃんじゃないんだろ?一葉?」

オトンに言われて感じた。

静流の気配はどこにも見当たらない。



突き飛ばされて座りこけてる黒岩に詰め寄った。

「おい黒岩 沈んでいた時、俺の声は聞こえてたのか?」

胸ぐらを捕まれたまま黒岩は首をかくんかくんと上下に振った。

「意識はどっかに潜ってるって考えて良いんだな?」

黒岩は激しく上下に首を振っている。

手を離し、静流を見据える。

なんだそれ…

「…俺の…ごめ…護身用に…」

黒岩が小さく呟いた。



静流の小さな手には、サバイバルナイフが握られている。