半身。然るに片羽。


「あのさ。なんで今日まで視えなかった?俺は聴けなかったのか?って事だけど」

だってそうじゃん。
前から視えててもよかったじゃん。

〈大人の階段のっぼ~る~。って事がkeyって感じ?〉

《貴様は昔からそうやってふざけおる‼︎》

〈うっさいわねー。大体自分達が生きてた頃だって背後霊なんて気にして肌を重ねた?〉

喧々囂々うるさい…

「…」

そうか。
向こうは見てたんだ。

そう考えるとハズくね?
無性にハズくね?

「…昔からって言った」

静流が呟いた。

《お前達が出会った時に、我が達も知りおうてるからな》

それが黄色っぽい人影の返しだった。