「イチハだってさ」
俺が言うと静流がピクリと動き、俺を見つめた。
「俺の名前。カズハじゃなくて本当はイチハだって。やっぱりなーって思っちゃうあたりは俺って流石じゃね?」
「…か…一葉だよ」
大きな瞳からまた大粒の涙が流れてしまった。
静流が泣いてくれたから…
俺は耐えられたんだと思うんだ…
「俺自身も揺らいだ。イチハなんじゃねーかって。でも「アイオカズハ」で俺は生きたいから…」
「分かってる」
「もう2度と揺らいだりしねー。だから静流泣き止めよ。義一だっけ?あいつも迷わねーで欲しい。多分俺の存在は邪魔になる時があるだろうけど………モガミイチハなんて」
その名前を出したとたんに、無数の声に包まれた。
