半身。然るに片羽。

人がズカズカ入ってくる音と制したいスタッフの声が入り交じって聞こえてくる。

「どうしても会いたいらしいね」

山城がため息を付いて俺をチラッと見た。

「わりー静流。俺嫌かも。暴走しそう…止めろ」

苛立ちを隠せないガキの俺は、固まったままの静流に顔を近づけていって力を貰った。
半ば放心状態の静流を抱え込み、濡れた唇を親指で拭き取ってから、謝った。

『・・・奴は敵意剥き出しだからな。気を付けろよ合尾。汚ねーもんがお前に向かってくるぞ』

「こんな時に真面目キャラになんじゃねーよ吉岡。それよりもさー俺は良いんだけど…静流の側にいてやってくれないか」

『お前こそマジだってーの』

「俺はいつでもマジだよ」

吉岡と目を合わせて笑った。