半身。然るに片羽。

「本当はトランペットの演奏なんだけどさー。ロマンチストなオトンがオカンに贈った曲なんだってさ。プロポーズに使えって教わったんだよ今年の春。すげーだろ?俺の両親」

こうなりゃ開き直りだ。

「大事な曲だったんじゃっ‼︎」

青い顔の静流が見えた。

「こんな曲。今日使わないでいつ使うんだよ?それにオカンが幸せに生きてるって分かったらあの人も少しは報われんじゃねーの?・・・いただろ・・・俺関係2人?」

俺が言うと2人が少し肩を強ばらせたのが分かった。

『真琴を虐めてんじゃねーよ』

吉岡がうるさい…

「静流の緊張が伝わってきたんだよ、バレバレ」

俺が言うと声にならない声で「ごめん」と言う掠れた声が漏れた。