どうにか入学式を終えてクラスに戻った俺達は保護者の視線に守られている。
担任の戻りを席に着いて待っていた。
「…若いお父さん…」
相川の声が聞こえた。
「再婚したって言ったろ?オトンはオカンと俺との丁度真ん中の歳だけど」
「ふーん」
「お前さー、気になってねーなら話し振んなよな」
俺がため息を付くと、
「別にー、ただ納得したしただけ。一葉こそそんな細かい事を気にしてんのって自分が気にしてるからじゃん」
いちいちうるせーな。
どうしてこうもこいつは嫌な部分をえぐってくるんだ。
「一葉って呼ぶんじゃねーよ」
俺が言うと、
「自分の名前を好きになれない奴の言う事なんか聞かない」
と抜かしやがる。
マジかわいくねー…
これまた図星。
確かに俺は自分の名前が嫌いだ。
