「はあー、食った食った〜」


「いやお前食べ過ぎだよな」


時刻は21時、そろそろお開きとなったので、みんなで経路に戻ろうと夜の商店街を歩いていた。


「雨寺さん、楽しかった?」


部員のみんなにそう聞かれ、
私は元気よく頷き、応えた。


「お好み焼き、初めて食べました」


私がそう言えば、驚いたように
「今まで損じゃん〜」なんて返されてしまった。


確かに、こんなに美味しいものを食べて
こなかったなんて、本当にもったいないや。


でも、一人で鉄板は扱えないし、誰かと一緒に何かを作ったりすること自体が、本当に新鮮だった。


お兄とキッチンに並ぶのとは違う、
胸がはじけるような気持ちで。


「本当に楽しかったです!」


私はニコリと笑いそう言えば、
みんなも笑い返してくれた。


「雨寺って笑うと結構フレッシュな」


中居くんはそう言ってケータイを
いじるものだから、少し怪訝した。


「私は高校生に見えないの?」


眉を細めそう聞き返せば、「さあね」
とはぐらかされた。


……やっぱり中居くんは意地悪だ。


私は頬を膨らませていると、
理沙は尋ねた。


「でも大丈夫?真尋さん心配してるん
じゃない?」


理沙は困ったように付け加え、夜遅くまで付き合わせた私らが悪いんだけどさ。と言えば、私は首を横に振った。