恋が枯れるまえに、約束を


……



ピ───ッ


体育館中にホイッスルが鳴り響けば、
足音もピタリと止まる。


「次、10本シュート!」


「「はい!!」」


まだルールが分からない私は、タイムを計り、到達時になれば理沙に伝え、休憩に入ればタオルと水分を与えた。


2週間の間の私には、力になれる事は
少なかった。


それでも理沙は「助かる」と言うのだから、よかった。


…それにしても、流石は強豪バスケ部
なだけはある。


ハードな練習はもちろん、初心者から見ても、ああ、上手いな。なんてつい見入ってしまった。


特にこのチームの要は主将、伊月先輩、佐藤先輩、後は1年生ながら中々の運動能力である中居くん。


だがしかし、誰として遅れをとらなければむしろ
伊月先輩や佐藤先輩を追い越す勢いを感じられた。


運動センスも、積み重ねてきた技術もすべてが
融合していて、活気のあるチームだと思った。


「いいチームだね」


そう言えば、理沙はニカッと笑って
元気よく頷いた。