恋が枯れるまえに、約束を






「短い間ですが、よろしくお願い
します────!」


昨日と同じように自己紹介をし、一つ礼をして頭を上げれば、初めましての人や昨日ぶりの先輩方が私を囲み歓迎してくれた。


「え!猫娘!?」


なんて、同じ反応には二度も屈せず、
私はにこりとした。


すれば、相手はおどおどと開いた口を
閉じてはぺこりと頭を下げてくれた。


……あ。


初めて見る顔ばかりではなくて、同じ学年の人も
バスケ部員だったのだと気づかされることも。


「よろしく、雨寺」


「中居(なかい)くん」


中居 楓(かえで)は私と同じクラスであり、
何より出会い方が濃い人だった。


まあ…厳密に言えば “理沙が” だけど。


「バスケ部だったんだね」


そう言えば、彼は一つため息をこぼし、応えた。


「あのなあ、最初のクラスの自己紹介でも
言ったはずなんだけど?」


「え……あっ」


その時は自分の番が終わり、緊張から解放され疲れてしまっていたために、他の人の事は何も覚えていなかった。


「ごめんなさい…」


申し訳なさそうに謝罪すれば、
中居くんはまた応える。


「まあ確かに雨寺、人の事はあんま
興味なさそうだもんな」


「っ」


ぐさりともカチンともくる言葉、
しかし否めないのは図星だからで。


な、中居くんって毒舌だ。