「今日は真尋さんのお弁当じゃ
ないんだね?」


飲み物は何にしようかと悩んでいると、
理沙は問いた。


またお兄が家を空けてから2日目、
しばらく帰ってこないとすると、
あと1〜2週間だろうか。


「うん、しばらくはこっち」


そう言って私は紙パックのカフェオレを
選べば、お会計を済ませた。


お兄の大学の事は私には分からないけど、
時折神経を尖らすような真剣な表情をする
ものだから、作業中のお兄は少し怖かった。


だから私もいい子にしなくては
いけない。


それに……、たくさん甘えられるほどの立場は、
今の私には持ち合わせていないから。


「……」


「どうしたの?はやく行こ」


「あ、うん」


しっかりしないと。


そう一つ意気込めば、私たちは
学校へ向かった。