「ジルーー。僕はそんなに子供っぽいのかな」



“んーー。一人称が僕なのがちょっと幼いとか?”



「俺っていうと…怒るんだ…」



“お、おう…。せっかくいい体してるんだから少し迫ってみたら?”



「迫る、って?」



“ほら、壁にドンって追いやったり”



「そんなことしたら怖がられるだろ」



“顎をクイってあげてみたり”



「いきなりやられたら気持ち悪くないか?」



“…洗いものしてるときとかに袖をクルってまくってあげたり”



「触ると怒られるんだ」



“…。策なしだな”



「策なしです…」



“手強いな魔女”



「魔女は手強いんだよ。なんたって、魔女だからな」



“どんなとこが好きなんだ?聞かせてみなさい”



「はい、ジル先生。フレイヤの好きなとこは僕を愛してくれてるところです」



“…は?それならいいだろ?”



「違うんだ。僕は結婚してちゃんと夫婦になりたいんだよ…。今のままじゃ親子だろ」



“兄妹みたいだけどな”



「助けてくれよジルーーーー」



“策なしだっていっただろ!?”