「いってきます」
『いってらっしゃい』
『はーーー。もう、おかしいわ。ここ最近ずーっと坊やがおかしい』
『身長も伸びて、顔つきもしっかり大人になっちゃって。それに…。』
“フレイヤ、いってきます”
『“アイツ”にも少し似てんのよねえ。
ふわぁーあ…』
“俺がフレイヤのことを守る。だからお前は安心してここにいてくれ”
“ばか。泣くなって。お前は笑ってる顔が一番輝いてるんだから”
“俺に何かあっても人間を憎んじゃいけない。人間と俺たちはお互いを知っているようで、何も知ろうとしていなんだ”
“いつかは解り合えると信じている”
“…そろそろ行かなきゃな。いいか、よく聞けよ。ここには特別な結界が張ってある。一度外に出れば中には戻ってこれない”
“何も音がしなくなるまで外に出るんじゃないぞ。約束しよう”
“それじゃあ、いってきます”
“フレイヤ…。愛しているよ”
『あらやだ。寝ちゃってたのね…。なんだか懐かしい夢を見たわ』
『さーてと。ご飯を作っちゃいましょ。犬型のオムライス…はまた坊や扱いしてって怒られそう。ふふ』