「はーーっ。肉体労働ってのはやっぱり大変だ。丘を越えると洞窟を掘る仕事しかないなんて…」



「母さんがこの地を去ってもう5年目か…」



「待つ方も大変だよ…」



「あ、帰りに卵買っていかないと」









「ただいまー。おかえりー」



『ふふ、おかえり』



「ただいまー、って…え??」



『久しぶり、坊や』



「か、母さん…どうして…」



『大変だったのよー。帰りの船が止められてて3年動かなかったんだから』



「母さん…」



『まさか行って帰ってくるだけで5年も経っちゃうなんて、行き損よね。魔女もいないし』



「母さん!!」



『…なによ』




「おかえり……」



『…っ。やだまた身長伸びた?こんな簡単に抱きしめられちゃうなんて…』



「うん」



『あのね、魔女はいなかったのよ…私、やっぱりひとりだったのよ…っ』



「ひとりじゃないよ。僕がいるでしょ」



『なんでここにいるのよぉ…』



「母さん…いや、フレイヤのこと待ってたんだ。ずっと」



『ううぅっ…。ロキ、ありがとう…っ』



「フレイヤも、戻ってきてくれてありがとう」