あるセンセイのバンクーバー物語

 「きれい!とてもきれいな街。絶対に気に入ってここに住むと思う。」思わず心の声が口から出てしまった。

 いよいよ日本語教師として働ける。自分がやりたかったことを、26歳になった今、実現しようとしている。

 人より決断の時間はかかったかもしれない。けれど年老いてからカナダに行かなかったことを後悔するのでは、と考えると少しわがままになってでも今海外に出なければいけないと玲奈は思った。家族がどのように思うか、残される家族がどんな気持ちになるかということも考えたが、自分の人生だし、とやりたいことを優先させることにした。

 どんな人生になるかなんて想像はつかなかった。でもそれでもいい。自分の力を試してみたい。

 予約していたホテルへと向かい、荷物をあずけ、さっそく住む家を探し始めた。