スコットも友達と楽しそうに踊っていた。でもいつも玲奈のことを気にしていた。ブライアンもそこにいたのだが、スコットは玲奈のことだけを目で追って彼のことは気にする余裕がなかった。なんで学生と先生って関係なんだよ、とスコットは思った。そんな関係じゃなかったら、すぐにでもキスして自分のものにしていたのに。

 さんざん踊って叫んだあと、2時半ごろにクラブをあとにした。声があまりでなくなっていた。なんとかというドリンクを飲んだせいで、普段飲まない玲奈にはすでに酒がまわってきはじめていた。

 「たったあれだけで?飲んだらいつもそんなふうに笑うんだ?」ブライアンは聞いた。

 「さぁ。普段飲まないから。でも、泣くよりましでしょう?そんな面倒な女、嫌じゃない?笑ってるだけなら特に迷惑はかけてないと思うけど。」

 スコットも玲奈を見ていた。彼女を自分のものにしたい。なんでこの男とアパートをシェアしてるんだよ?そんな考えをめぐらせていた。

 「じゃあ、また月曜日、大学で。私がここにいたことは誰にも言わないで。」

 「とーぜん。」スコットは答えた。

 玲奈とブライアンが一緒に帰っていくところをスコットは複雑な気持ちで見ていた。