そんなとき、後ろから肩をたたかれた。スコットだった。

 「スコット、ほんとに来たんだ。あ、紹介します。ハウスメイトのブライアン。ブライアン、日本語を勉強してるスコット。」

 二人は握手をした。

 「レイナのクラスなの?」

 「はい、いつも放課後も教えてもらっています。」

 「へぇ、熱心なんだね。」

 「レイナ先生がハウスメイトとクラブに行くって言うから、来たら会えるかなと思って友達と来たんです。」

 「レイナに会いたくて?」

 「どちらにしろ友達と会う約束をしていて、じゃあレイにしようって。」スコットはあいまいな返事をした。

 「なんか、自分の生徒に見られてるってすごく変な気分なんですけど。こういうことっていいのかな?」

 「もうお互いここに来ちゃってるんだし、いっしょに踊ろうよ。」スコットが言った。

 なんとなくだが、妙な雰囲気を感じながらも、来たばかりなのに帰ろうとも言い出せず、スコットが言ったこと、ブライアンとのキス、色々なことをいっぺんに考えながら玲奈はあたふたした。