「レイナ、大丈夫?水もってこようか?」

 「ありがとう。でも私全然大丈夫よ。だってあの一杯だけだし。」

 レイナはソファに座ってネックレスと腕時計を外した。顔だけは洗って寝ようと立ち上がろうとしたとき、ブライアンがしゃがんで玲奈の腕をそっとつかんだ。

 「ごめん、ほんとにわがままなんだけどさ。もう一回キスさせて。」

 玲奈はなんと答えていいのか全くわからなかった。

 ブライアンは優しく、それでいて熱いキスをした。

 「友達として、だから..。」

 「ブライアン、でも私たちまだ会ったばっかりだし。」

 「わかってるよ。」そういってブライアンは立ち上がった。「おやすみ。」

 玲奈は何も言わず部屋に戻った。

 しばらく寝付けなかったが、かといって何を自分が考えているのかよくわからなかった。

 最初は滑り出しがいいのよ、いつも。最初だけ、と独り言を言っているうちに、眠ってしまった。