「門松さんは、卒業後、パリに留学して、数々のコンクールの賞を取ってたから卒業後も学校では有名人だった。俺も負けたままが悔しくて、卒業後同じパリに留学したけど、そこでも、コンクールや大会であの人に勝つことは一度も出来なかった。そうしてるうちに、門松さんはドイツに渡って自分の店を開いて、どんどん差をつけられていったんだ」
「そうなんだ。それだけすごい人で憧れでもあったのに何であんなに敵意むき出しで嫌ってたの?今の話聞いてたら、すごく尊敬できる先輩に思えるんだけど…?」
桐島があんなに毛嫌いしてた理由がわからなくて首を傾げる。
「この話だけならな…。だけど、そうじゃないんだよ。あの人はそんな尊敬できるような出来た性格じゃねぇ!」
話しながら怒りで震えている桐島。
「お、落ちついて、桐島。理由あるんでしょ?教えて」
そう言うと、ふーっと深呼吸した桐島。
