門松さんと別れてからすぐに紗恵ちゃんも用事があると言って別れた。
あたしは一人桐島の後ろを追いかけたけれど、さっきから自分達の店も通り過ぎたというのに無言で歩き続けている。
「桐島、ちょっと待ってよ!」
声をかけても足が止まることはなかった。
「待ってって言ってるでしょ!」
だから、走って桐島の前に回り込んだ。
「なんだよ?」
「ちゃんと門松さんの事説明して。店にも戻らないで、桐島がこんなに感情的になってるなんて、なにかあるんでしょ?」
真っ直ぐに桐島を見つめる。
「お前には「関係ないなんて言わせないからね?仮にもあたしは店長なんだから!門松さんがあたし達の店を潰す気でいるのなら、だまってなんかいられない!」」
強い口調で桐島をさえぎって言い放った。
