「ちょっと桐島!あたしと紗恵ちゃんばっかりに聞き込み任せないで、手伝ってよ!」
「あぁ。悪い…。ちょっと思い当たる所があって…」
「思い当たるって、もしかして、知り合いかもってことですか?」
紗恵ちゃんが驚いた顔で桐島を見る。
「多分…。いや、そうでないと信じたいが…。条件的にはあの人しかありえない…」
ものすごく嫌そうな顔でそう呟く桐島。
「その人って…「キャーッ!!」」
「誰?」と聞こうとした瞬間、女の子達の大きな歓声にかき消された。
「えっ!なに?!」
びっくりして歓声の大きい行列の前の方を見ると、お店から一人の男の人が出てきていたようだった。
