「すみませーん。このお店ってどうしてこんなに人気なんですか?」
20代ぐらいだろう女の子達二人にそう声をかけた。
「えっ!知らないんですか?!ここの店長がすっごい人なんですよ。海外のコンクールでも賞をとったことがある人で!」
「おまけに優しい感じでかっこよくて!もうカリスマ的存在なんです!」
女の子達はキラキラした目で興奮しながら、そう教えてくれた。
「…へぇー、知らなかったです…」
女の子達の勢いに少しひいて苦笑いをする。
他のお客さんにも話を聞いたけれど、みんな同じように店長のパティシエさんを大絶賛していた。
「カリスマ…、海外のコンクール…、KADOMATSU…」
さっきから後ろをついてきて、話を聞くだけ聞いて隣でぶつぶつと呟いている桐島。
