「えっと…。あたし、今書き間違えたかな。あたしが店長とかっていうありえない空耳を聞いたような…」
ハッとなって、戸惑いながらそう言うと、
「聞き間違いなんかじゃない。お前が店長だって言ったんだ」
戸惑うあたしをよそにお父さんは笑顔でそう言い切った。
「えーーーーーー!!!」
事務室にあたしの驚きの声が響いた。
「ちょっと待ってよ、お父さん。あたしに店長はさすがに無理だよ。専門学校卒業してまだ五年程で留学とかもしてない修行中の身なのに」
状況をようやく飲み込んだあたしは慌ててお父さんに詰め寄った。
「お前なら大丈夫だ。小さい頃からずっと俺の側で仕事を見てきただろう?お前だから、店長をまかすんだ」
お父さんはそう言って笑った。
