「桐島って、自信家だけど、ケーキ作りが好きなだけなんだね」
「別に俺は、自信家って訳じゃない。ただ自分の力を自分自身が信じられなきゃ、おいしい物なんて作れないと思うだけだ。そのために努力してるんだしな。ま、お前にはマネ出来ないだろうな!」
フッと鼻で笑って言う。
「なっ!今に見てなさい!絶対あんたなんかすぐに越えてみせるから!」
「…精々頑張れよ。期待しないでおくから。じゃあ俺はもう寝る。明日寝坊すんなよ」
バカにしたように言ってリビングを出て行く桐島。
その後ろ姿に"絶対負けないんだから!!"と心の中で叫んだ。
こうして無事に初日を終えたあたし達。
色々あるけれど、桐島との距離も少し縮まった気がした。