「お待たせしました。お水で申し訳ないんですが、良かったら」
女の子に桐島が入れてくれた水を渡す。
「あ、すいません。ありがとうございます」
そう言って女の子は水を一気に飲んだ。
あんだけ息切れしてたんだもんね。
「ふー…。息返りました。本当にありがとうございます」
「いえいえ。それで、どうされたんですか?…もしかして、朝買われたケーキに何か問題でもありましたか?」
本当に苦情だったらどうしようとビクビクしながら聞くと、女の子は一瞬キョトンとしてから慌てて首を振った。
「あ、違うんです!!苦情とかそんなんやなくって。むしろ、その逆と言うか…」
「逆…?」
女の子の言葉に首をひねる。
後ろを振り向いて桐島を見ると、桐島も首をひねっていた。
