「ったく、俺をわざわざ呼ぶなよな。接客はお前の仕事だろ」
女の子がドアを出るとすぐにいつもの仏頂面に変わった桐島が言ってきた。
「ごめんって。オススメって聞かれたから、初めてのお客様だし、作った本人が紹介する方がいいかと思ったの」
「俺がいちいち紹介してたら、調理が進まなくなるだろうが。次からはちゃんと接客してくれよ、店長さん」
嫌味ったらしくそう言うと、厨房に戻っていった。
あそこまで怒らなくてもいいのに!
でも、まぁ、間違ったことは言ってないんだよね…。
これ以上何も言われないように、あたしもしっかりと接客頑張らないと!
よしっと気合いを入れ直した。
