「そろそろ時間だね」 「あぁ」 桐島とお店の壁にかかっている時計を見た。 時間は、後五分で十時を指す。 いよいよオープン…。 お客さん、いっぱい来てくれますように! 心の中で強く願った。 「じゃあ、そろそろ看板出してくるね」 「わかった」 作ったスタンド式の看板を手に持って、カランカランと鐘の音を鳴らしながらドアを開けて外に出た。 出てすぐの入口横に看板を置こうとした時、誰かが近づいて来た気配がした。