Sweets♡Days



機嫌良く厨房の戸を開けて、作業中だった桐島と目があった瞬間、あたしは桐島がいたことを思い出した。


そうだ、レシピ考えてテンション上がってて忘れてたけど、厨房ではこいつが試作してるんだった…。


桐島は入ってきたあたしをチラッと見たけれど、すぐに視線を戻して作業に集中していた。


なんか嫌な感じ…。


桐島の態度にムカッとしたものの、あたしも無視を決め込んで、コックコートを着てから試作作りを始めた。


とりあえずアップルパイから作ろうかな。


このアップルパイで今度こそ桐島に「美味い」って言わせるんだから。


今までのクッキーやフィナンシェ、パウンドケーキはとりあえずの及第点とか散々言われたからなぁ…。


アップルパイだけは、特に自信のあるものだからこそ認めてもらいたい!


そう強く思いながら調理に没頭した。